アメフトのルール
アメリカンフットボール(アメフト)は、ボールを持って相手の陣地の一番奥(エンドゾーン)まで運ぶと点が入る競技です。ルールは細かく見えますが、「4回の攻撃で10ヤード進めるか」と「どうやって点が入るか」の2つが分かれば、スタジアムで十分に楽しめます。このページでは、初めて見る人がまず知っておくと試合が分かりやすくなることを、順番にまとめます。
フィールドと人数

- フィールド: 長さ100ヤード(約91メートル)の真ん中の部分と、両端にある奥行き10ヤードのエンドゾーンでできています。白い線が5ヤードごとに引かれ、10ヤードごとに数字が書かれています。
- 人数: 1チーム11人がフィールドに出ます。攻撃のときの11人と、守備のときの11人は、別の選手が出ることが多く、キックのときにはキック専門の選手が出てきます。選手の入れ替えは、プレーとプレーの間なら何人でもできます。
- ボール: 楕円の形をしたボールを使います。投げて(パス)も、持って走って(ラン)もかまいません。

写真: 作者不明(CC0・Openverse)
攻撃は「4回で10ヤード」
アメフトの一番の特徴は、攻撃が1プレーずつ区切られていることです。1回のプレーを「ダウン」と呼びます。攻撃側は4回のダウンのうちに10ヤード以上進めば、また新しく4回の攻撃ができます(これを「ファーストダウンの更新」と呼びます)。進めなければ、攻撃権は相手に移ります。
実際には、4回目まで使い切ることは少なく、3回目までに10ヤードに届かなかったときは、4回目に「パント」(ボールを大きく蹴って相手陣の奥へ下げること)か「フィールドゴール」(キックで3点を狙うこと)を選ぶのがふつうです。スタジアムのビジョンや場内の放送で「セカンドダウン、残り4ヤード」のように言っているのは、「2回目の攻撃で、あと4ヤード進めば更新」という意味です。
フィールドの外側には、10ヤードの目印になる棒(チェーン)を持った係員がいます。これを見ると、あとどれだけ進めばよいかが、スタンドからでも分かります。
点の入り方
| 得点のしかた | 点数 | どんなとき |
|---|---|---|
| タッチダウン | 6点 | ボールを持ったまま相手のエンドゾーンに入る、またはエンドゾーンの中でパスを受ける |
| トライ(キック) | 1点 | タッチダウンのあと、ゴールポストの間にボールを蹴り込む |
| トライ(プレー) | 2点 | タッチダウンのあと、キックの代わりにランかパスでもう一度エンドゾーンに入る |
| フィールドゴール | 3点 | ふつうの攻撃の中で、ゴールポストの間にボールを蹴り込む |
| セーフティ | 2点(守備側に入る) | 攻撃側の選手が、自分のエンドゾーンの中でタックルされたときなど |
タッチダウンのあとのキックが入ると「7点」になるので、点差を見るときは「タッチダウン1本(7点)差」「フィールドゴール1本(3点)差」と数えると、試合の流れがつかみやすくなります。8点差なら、タッチダウンと2点のトライで追いつける点差です。

キックオフと攻守の交代
試合は、片方のチームがボールを大きく蹴る「キックオフ」で始まります。後半の始めと、点が入ったあとも、キックオフから再開します。蹴られたボールを受けたチームが、ボールを持って走って戻せたところから攻撃を始めます。
攻撃と守備が入れ替わるのは、主に次のときです。
- 点が入ったとき: 点を取ったチームがキックオフをして、相手が攻撃を始めます。
- 4回で10ヤード進めなかったとき: その場所から相手の攻撃になります(多くは、その前にパントで相手を下げます)。
- インターセプト: 攻撃側が投げたパスを、守備側の選手が取ったとき。取った瞬間から、守備側の攻撃になります。
- ファンブル: ボールを持った選手がボールを落とし、相手に拾われたとき。
インターセプトとファンブルをまとめて「ターンオーバー」と呼び、試合の流れが大きく変わる場面です。パスが誰にも取られずに地面に落ちたときは「パス失敗」で、ボールは前のプレーの位置に戻り、時計が止まります。
試合の時間
試合は4つのクォーターに分かれ、第2クォーターのあとにハーフタイムがあります。クォーターの長さは大会の規則で決まっています。パスが失敗したときや、ボールを持った選手がフィールドの外に出たときなどは時計が止まるため、試合にかかる時間は、表示されている時間よりずっと長くなります。リーグ戦の日程で、同じ会場の試合の開始時刻が約3時間ずつ空いているのは、このためです。
反則と黄色い旗
審判が黄色い旗(フラッグ)を投げたら、反則があった合図です。プレーが終わったあとに、審判が身ぶりで反則の種類を示し、罰としてボールの位置を5ヤード・10ヤード・15ヤードなどだけ下げたり、ダウンの数を変えたりします。反則を受けた側は、罰を受け入れるか、そのプレーの結果を残すかを選べます。よく見る反則は、プレーの始まる前に動いてしまう反則や、相手の体をつかんで止める反則です。
主なポジション
- クォーターバック(QB): 攻撃の司令塔。ボールを受け取り、パスを投げるか、ランの選手に手渡すかを決めます。
- ランニングバック(RB): ボールを持って走る選手。
- ワイドレシーバー(WR)・タイトエンド(TE): パスを受ける選手。タイトエンドは、ブロックもします。
- オフェンスライン(OL): 攻撃の最前列で、守備の選手を止める5人。
- ディフェンスライン(DL)・ラインバッカー(LB)・ディフェンスバック(DB): 守備の選手。前から順に、ランを止める・全体を見る・パスを防ぐ役目が中心です。
- キッカー(K)・パンター(P): フィールドゴール・トライのキックや、パントを蹴る選手。
日本の大学・社会人の結果の読み方
このサイトの結果の表には、大会ごとの決まりで、次のような書き方が出てきます。
- 同点のためタイブレーク: 関東学生リーグの公式の結果では、タイブレークの点を括弧で書いています。2026年10月18日の明治大学と法政大学の試合は14-14の同点のあと、タイブレーク3-11で法政大学の勝ちでした。関東学生連盟の決まりでは、チャレンジマッチと入れ替え戦も、同点ならタイブレークで決着します。
- 引き分け: 関西学生リーグの星取表には引き分けがあり、勝ち点は勝ちが3、引き分けが1です(2026年は京都大学と神戸大学が13-13)。
- 暑さ指数(WBGT)による打ち切り: 九州学生リーグでは、暑さ指数が連盟の基準を超えると試合を途中で止め、その時点の得点で勝敗を決めることがあります(2026年8月30日の九州大学と九州工業大学の試合は、第3クォーター終了で打ち切り)。
- 没収試合: Xリーグでは、公式規則による没収試合が1対0の勝ちとして扱われます(2026年9月13日の富士フイルム海老名Minerva AFCとオービックシーガルズの試合)。
スタジアムで見るときのコツ
最初のうちは、ボールを持っている選手を目で追うだけでもかまいません。慣れてきたら、プレーが始まる前の並び方(フォーメーション)と、10ヤードの目印の位置を見てから、プレーを見るようにすると、「今のプレーは何ヤード進んだか」「ファーストダウンを更新したか」が分かるようになります。スタジアムによっては、場内の放送でプレーの結果を伝えてくれます。
チケットの買い方や配信の見方は観戦ガイド、試合の日程は関東TOP8・関西Div.1・九州1部・X Premierの各ページにあります。
このページは、一般的なアメリカンフットボールのルールを、初めての人向けにかんたんにまとめたものです。細かい決まりは大会ごとの規則で決まり、日本アメリカンフットボール協会が公式規則書を出しています。